03/24 05:30







  気付くと真っ暗闇の中に立っていた。地に足を着けているにも関わらずこの浮遊感。


ああそうか、夢を見ているのか。


不自然なまでのその感覚に違和感を覚えるがかと言って嫌ではなかった。


 

暫くそうしていると、声が聞こえた。
近づいてみると2つの人影。

 

あれは、誰だ――――








母さん?



うっ…ふ……っ





ああ、餓鬼の頃の俺と母親だ





ねえ、何で泣いてるの?



うっ…う……っ





近づいたって良い事は無いぞ





……母さん?





ああ、止めておけばいいものを




差 し 伸 び た 手 に 捕 ま る だ け な の だ か ら










ああ、赤城くん……大丈夫よ。心配しないでね







そう、大丈夫よ、大丈夫







怖いことなんて何もないわ



















それ見た事か























夢が終わった。あれは餓鬼の頃の自分と母親だった。
あの頃の自分を久しぶりに見た気がする。
「……あ゛ー……」
頭が酷く重い。今日は……ああそうだ、あいつと会う日だ。


















(蝦蟇が御玉杓子だった頃)